【干物語】第14回 クロシビカマスは皮を食え。
こんにちは。
タイトルの通り、今回のテーマはクロシビカマスです。
クロシビカマスは、以前にもこちらのブログにて紹介しました、深海魚です。
中深海釣りなどをしているとよくかかる魚で、タチウオのように鋭い歯で度々釣り糸を切ることで知られています。
つい先日、南房総の鮮魚店を散策中に、このクロシビカマスの良型が手に入ったので干物を作ってみました。
こちら、50cmオーバー、1キロにせまる良型で、1尾1000円以上しました。(少し高くて驚きました。)
こちらはどうやらキンメ釣り漁の外道で釣れるらしいです。釣り物なので状態も非常に良いです。
静岡周辺ではこの型はなかなかお目にかかれません。
今まではこれよりも小型のものしか食べたことがなかったです。そのため干物の期待が高まります。
早速干物づくり。
完成。
三枚おろしにしてから干しました。
以前にも書きましてが、こちらの魚、皮目に骨がある独特の構造をしているため、皮目に骨切りをすると食べやすいです。
お味は…。
今まで食べた干物の中でも、トップクラスに美味しい。
皮が香ばしくて、本当においしい。
皮を食べないのは、オムライスを食べるときにチキンライスだけ食べて上の卵を残すようなものです。
そしてなんといってもジューシーな身の旨味。
タチウオよりも強めの、イサキやサワラに近いような繊維をしていて、食べごたえがあります。
そして脂。
焼いてると滲み出てきて、その脂にもまた旨味がある。
付け合せに柑橘、大根おろしと柚子胡椒を用意しましたがどれとも相性がいいです。
特に柚子胡椒。
やばいです。
ジューシーな魚の身質に、柚子胡椒の爽やかな刺激が加わることで絶品と言い切っていいような味になりました。
ちなみにこちらもつくりました。
焼霜造り。
こちらもかなり美味いです。
皮目は強めに炙ってあげるのがおすすめです。
アラからは出汁も取れました。
黄金に光るスープ。
魚とは思えないくらい、かなり濃厚な味わいで、ラーメン作れるんじゃないかって感じでした。
クロシビカマスを褒めちぎるのはこれくらいにして
ここからは、南房総での話。
南房総、富浦漁港には直営の「おさかな倶楽」という、漁港でとれた様々な魚介類の定食が味わえるお店があり、立ち寄りました。
こちら、アニメ「戦翼のシグルドリーヴァ」という作品にも登場し、主人公はアブラボウズを食べるという印象的なシーンがありました。
アニメ関係なしに、興味があったので来てみると開店前から凄い人。平日なのに。
店内に入ると
メニューの豊富さは圧巻でした。
魚マニアにはたまらんです。
ここから僕が選んだのは、
「エンザラ定食」
エンザラは、クロシビカマスのここでの地方名です。
そう、鮮魚店でクロシビカマスを買いつつ、定食屋さんでもクロシビカマスを食べる。
これは計画だったのです。
意外にもクロシビカマスはかなり人気。
エンザラ定食のオーダーが店内を飛び交っていました。
いよいよ来ました。
クロシビカマスの煮付けと、塩焼きですね。
塩焼きから。
魚の脂で、表面が素揚げに近い状態になっています。
塩焼きは干物とはまたちがい、ふわふわとしつつジューシーな味わい。
これもこれでいいですね。
そして煮付け。
煮魚はそんなに好きじゃないんですが、これはうまい。
青物の煮付けやキンメの煮付けなんかよりも好きですね。
ただ、個人的には塩焼きのほうがいいかな。
追加でオーダー。
カツオのハラモの塩焼き。
いや〜。
うまい。
食べごたえ抜群、カツオの旨味が口の中で爆発します。最高でした。
おさかな倶楽部。
大満足でした。
こんなお店近くにあったら毎日通いたいです。
南房総市に住もうかな(^_^;)