【干物語】第7回 何かと冴えない「クロソイ」美味しい食べ方を探る。
こんにちは。
ある日、スーパーでこんな魚を見つけました。
こちらはクロソイです。
あまり冴えない見た目をしている魚です。
光量をあげて撮影していますが
普通に見るとかなり黒く、あまり見た目が美味しそうな魚とは思えない人が多そうです。
この魚の冴えないポイントはもうひとつあり、
それはライバルの多さです。
唐揚げや煮付けでみんなにお馴染のカサゴ。
同じくカサゴと共に人気のメバル。
メヌケと呼ばれ、鍋にいれればたちまち絶品になる高級魚アコウダイ。
キンキと呼ばれ、様々な調理法で美味しくいただける高級魚キチジ。
など。
人気者勢揃いの、この科に属しています。
しかもこの人気者たちは、総じて見た目が鮮やかな色をしていたり、料理も見栄えがよくなる魚ばかりです。
見た目が黒く地味なこの魚はどうなのでしょうか?
とりあえず今回は干物に加えて、煮る料理もチャレンジしてみたいと思いました。
それがマース煮です。
沖縄の伝統料理で、マースは塩を意味します。
昆布と塩で味付けたシンプルな出汁に煮付けていきます。
できました。
見た目とは裏腹に、ものすごく綺麗な白身です。
味はどうでしょうか。
まったくクセも臭みもなく、食べやすい。
さらに身は弾力もあり、食べごたえがあります。
ただ、味が薄いです。
これは塩加減などの問題ではありません。
クセがないと言いましたが、これは時にはネガティブな意味を持つことになります。
その魚独特の風味に欠けるということです。
惜しいなぁ〜と思いました。
ただ、こういう魚には味をつけてしまえばいいんです。
今回は素材の味を感じるためにマース煮にしましたが、
醤油、みりん、酒、砂糖で味つけるスタンダードな煮物なら、
このクセがなく食べごたえのある身を楽しめたと思います。
では、干物。
干物にすると水分が飛び、味が濃くなることがあります。
ですが、こちらも正直マース煮と同じ感想でした。
クセもなく、繊維もしっかりしているため、トップレベルに弾力があり、食べごたえある干物です。
ですが、なにか物足りない。
こちらの干物も、塩水につけるのではなく、
醤油、みりん、酒などで調節した液に漬ければ美味しくいただけそうです。
というわけで。
今回はクロソイを食べてみました。
ライバルたちが強敵なだけに、少し残念な立ち位置にある魚かもしれません。
ただ、ポテンシャルは感じました。
調理法次第でその楽しみ方は広がると思います。
見つけた際は強めに味付けして、チャレンジしてみてください。
唐揚げなんかでも美味しいと思います。