【干物語】第12回 シログチで干物作り。イシモチとの違いも解説。
こんにちは。
みなさんはイシモチという魚をご存知でしょうか?
スーパーなんかでたまに見かける方もいると思います。
投釣りやルアー釣りをする人なんかにもお馴染みかもしれません。
ですが、イシモチという名前の魚はいません。
イシモチというのは通称なのです。
イシモチと呼ばれる魚の代表例は、正式名称だと、「ニベ」や「シログチ」がいます。
なぜこれらをイシモチというのかというと、
魚をはじめとした様々な脊椎動物の多くには「耳石」という平衡感覚を司る器官があります。
これがニベやシログチではこの石のような器官が発達しており、そのため「石持ち」と呼ばれるようになったのです。
そしてこの魚、浮き袋を使ってグーグーと鳴くことも有名です。
釣り上げられるとこの鳴き声を聞くことができます。
ニベとイシモチはどちらも30cmから40cmくらいのサイズが一般的で、体の特徴もよく似ているのでスーパーではハッキリと区別されることなく「イシモチ」として売られることが多いです。
違いは、ニベは薄っすらと体表に斑点があるのに対し、シログチはそれがありません。
こちらがシログチです。
日本周辺の海域で漁獲されるニベの仲間には飛び抜けて大きくなる種に、「オオニベ」がいます。
主に宮崎県などで釣りのターゲットとしても人気で、最大で150cmにもなります。
こちらがオオニベ。前に自分で釣ったやつです。
これは小さくて、40cmくらいでした。
そしてこのニベの仲間は1度釣られるとかなり弱ってしまいます。
リリースすると高頻度で死んでしまうらしいので、釣ったら責任持って持ち帰ってあげることをおすすめします。
それでは、シログチを購入しましたので
干物をつくってみました。
うん、さっぱりとして上品かつクセのない白身。
旨味もありますが、個人的にはあっさりすぎる気もしましたが。
でも、十分においしい魚です。
アジよりも食べやすいという人もいそうな感じがあります。
食欲があまりないときでも食べやすいような味ですね。
味付けを変えたりしてまた食べてみたいと思いました。
【干物語】第11回 スズキを干物にしてみた。リアルどうぶつの森?
こんにちは。
夏に旬を迎える魚というのはいくつかいますが、
特に冬に比べて値段が上がる魚に
スズキ
がいます。
この魚は河口から沖の方まで、幅広い範囲で生息しています。
河口周辺のスズキは臭みをためてしまうことが多く、スズキは臭い魚だというイメージもついてしまいがちです。
ですがこの魚の身は綺麗な白身。
旬の時期に海で漁獲されたものは絶品とされ、市場ではかなりの値段で取引がされます。
スズキは釣り人から、シーバスとも言われています。
様々なルアーで狙えるそのゲーム性の高さ。
そして、この魚がヒットすると、水面に向かって頭を上にバタつかせる「エラ洗い」という動作をし、引きも強いことから、人気のターゲットです。
人気ゲームの「どうぶつの森シリーズ」ではこの魚は嫌になるほど釣れる魚で、たぬきちへの売値も安いものです。
これもかなりこの魚のイメージを低下させている要素となっている気がしますが、現実ではこんなに簡単に釣れませんし、旬の時期にはタイより高くなりますよ。(あと、なんかゲーム内では緑色っぽいんですけど本物はけっこう色味が異なります。個人的にはこっちの方が少し気になる点です。)
そんなことも踏まえまして。
ほぼ秋だったのですがなかなか美味しそうだったので買ってみました。
スズキといいましたが、スズキは大きさというか成長度によって名前が変わる「出世魚」です。
ブリとかは名前が変わることで有名ですよね。
関東周辺では、
セイゴ→フッコ→スズキ
というふうに名前が変わります。
この個体はフッコにあたるサイズでした。
クセの少ない綺麗な白身なので、代表的な調理法としては
食感やさっぱり感を味わえるお刺身、お寿司、
白身魚をふんわりと仕上げるムニエル
なんかが有名です。
とりあえず、ムニエルは食べたい。
メジャーな魚ですが、この魚の干物はあまり見かけません。
なのでお試しということで、片身を干物にしてみます。
それでは、調理しましょう。
ここで注意事項なのですが、
この魚けっこう背びれが鋭利。さらにエラ付近にトゲがあります。
下処理でのケガに注意しましょう。
見た目は普通の魚ですが、意外と危険な魚なのです。
タイなんかもそうですが、見た目が普通そうでも意外にヒレのトゲが硬い魚ってのはいるので、注意しましょうね。
まず一品目ムニエル。
若干ですがバターが焦げました。
すみません、まだまだですね。
フランス料理でよく使うテクニックとしてアロゼというものがあるのですが、この工程でバターを使用しているとけっこう焦げちゃうんですね。
ハーブはシンプルにパセリのみ。
お味の感想。
やっぱ美味しいですね。
間違いないです。
クセのない白身とバターの香ばしさは相性抜群です。鮮度も重要だと思います。
鮮度が良かったのでふんわり仕上がりました。
二品目。干物。
普通に塩味にしました。
お味のほうは…。
正直、微妙。
ムニエルであんなに美味しかったのに不思議ですね。あんまりでした。
旨味が全くないわけではないですが、食べててなんにも感動がありませんでした。
身の質は良かったので、醤油味とかにしたほうが美味しいかもしれませんね。
というわけで、
干物が流通してないのには、何かしら理由がありそうですね。
たぶん、あんまり干物と相性が良くないのかもしれません。
ムニエルにしてもふわふわしてる身が魅力ですし、刺し身やお寿司はその瑞々しさと食感の良さが魅力のようです。
干物の醍醐味である、脱水するということ自体が良くないのかもしれませんね。
スズキサイズでもう少し脂が乗っているような個体で、かつ醤油味で味付けしてリベンジしてみたいです。
スズキは、迷ったらムニエルにしましょう。
【干物語】第10回 カツオの希少部位「はらも」って何?
こんにちは。
みなさんのカツオの好きな食べ方は何ですか?
ぼくは、カツオのタタキです。
刺し身が苦手なぼくですが、カツオのたたきは好きです。
たっぷりの薬味とポン酢と一緒に口に。
カツオの旨味と薬味の爽やかさが同時に味わえて口のなかの幸福感が沢山になる、あの感覚が好きです。
カツオといえば、鰹節も有名ですね。
鰹節には背側の雄節、腹側の雌節とあり、
使われている部分は、たたきとほぼ同じです。
こんなメジャーなカツオの食べ方では、
使われていない部分。
それが、「はらも」と言われている場所です。
はらもは、お腹の下の部分です。
腹鰭から尻鰭の間のあたりから取れます。
ただこのはらも、刺し身や鰹節にするには薄すぎて、利用できません。
そこで、干物はかなり有効な利用法と言えます。
それがこちら。
はらもの干物です。
はらもの魅力は、脂のノリです。
魚は脂は腹に一番のる傾向があるので、はらもは位置的にも当然脂がたっぷりとのっています。
カツオは火を通すと固くなってしまう傾向がありますが、はらもは脂がのっているのでそこまで固くはなりません。
そして、味がとても濃いです。
カツオが好きな方には是非一度試していただきたいです。
ひとつデメリットとしては、脂がノリ過ぎているものは少し味がしつこく感じるかもしれません。
少量食べるのが良いと思います。
お酒のお供にも合うと思いますよ。
【干物語】第9回 旬を過ぎたイサキ。その味やいかに。
こんにちは。
今日ご紹介するのは、イサキです。
10月某日、スーパーにて良さげなイサキを見つけました。
イサキは、スズキ目イサキ科のお魚。
食用魚としても、釣り魚としても人気者です。
旬は夏と言われています。
一般的に晩夏に産卵すると言われ、
その産卵シーズンに向けて栄養を蓄える6月から8月あたりのイサキは絶品と言われています。
お刺身でも美味しいとされていますが、
なんといっても塩焼きが美味い。
ぼくも夏にとあるお店で塩焼きをいただきました。
いや〜美味しかった。
ホクホクの白身にレモンをひとり絞り。
脂ののった旨味の強い身。
程よい塩気と共にレモンの酸味が加わってさっぱり感アップ。
たまらないです。うまい。
さて今回購入したイサキ。
時期的には旬と言われる時期を過ぎています。
ですが身にハリがあって、十分にうまそう。
こいつで干物を作ってみます。
今回は普通の塩味の干物にひと手間。
サクラチップを用いて少し香付けします。
所謂、スモーク、燻製です。
それでは調理開始。
フライパンを用いた簡易的な燻製調理。
もう美味しそうです。
そして、完成。
いただきます。
「いや、美味しい。」
本当に美味しいです。
めちゃくちゃ美味しいです。
正直に言いますと、夏にとあるお店で食べたものより美味しかったです(^_^;)
まず旬ではないとはいえ、脂もしっかりとのっていますし
旨味も強いです。これぞ、イサキ。
という味がします。
さらに燻製というひと手間が良かったです。
イサキのガツンとした旨味にサクラチップの優しい芳醇な香りが染み付いていて、最高の味に仕上がりました。
自作干物ではトップクラスの出来に、感動しました。
それでは、まとめ。
イサキは旬を過ぎていても美味しい個体はいます!
「旬じゃないから、この魚を買うのはやめておこう。」
そんな固定概念は、あまり良いとは言えないかもしれません。
「旬じゃないけど、美味しそうだから食べてみよう。」
こんな気持ちで自分の直感を信じて食べてみる。
すると思わぬ発見があるかもしれせんよ。
美味しそうな魚はとりあえず食べてみるのがいい気がしますね。
スーパーや鮮魚店に行った際は、是非そんな気持ちで魚を見てみてください!
【干物語】第8回 干物の開き方を紹介!開き方の違いで味は変わるのか。
こんにちは。
秋というよりもう冬のような寒さを感じる季節になりました。
この時期に美味しいのがこの魚。
アカカマスです。
以前にも紹介しました、このカマスを使って
代表的な干物の開き方3パターンをご紹介します。
そして、開き方により味に違いは出るのか?
そんなことも考察していきたいと思います。
そもそもの話、なぜ開くのか。
これは、干物にするときに開くことで水分を抜きやすくするためというのが主な理由でしょう。
小さい魚や薄い魚は丸々一匹を干す、丸干しにすることもあります。
小さいイワシの煮干しなんかは丸干しですし、ハタハタなんかも丸干しをよく見かけますね。
カレイなんかは薄いので丸干しにされることがあります。
開くときの基本として、
まず魚のまっすぐな方を残して開くのが良いでしょう。
背側と腹側を比べて、より直線に近い方を接続しているように、開く。
曲線のところを残して開いたら歪んだ干物になりそう、というのは容易に想像できると思います。
そんなことを踏まえながら、スーパーやひもの屋さんで見かける代表的な3種類の開き方について、実践をしながら見ていきましょう。
①腹開き
最初の開き方は、腹開きです。
お腹に包丁を入れ、内臓を出してそのまま開けるのがこの開き方になります。
この開き方はアジの開きに多く見られる気がします。
実際に開いてみました。
まず、開いてみた感想ですが、
カマスは腹開きに向かなそうです。
理由はカマスは下アゴより上アゴのほうがもろいようで、
形が崩れやすいように見えます。
火を入れると形が崩れ、見栄えが悪くなりそうです。
ただ、先に内臓を出すので血や内臓の内容物が身の可食部に付着して、味を損なうようなことはなりにくいです。
さらに腹骨を削ぎ落としたいときなんかは
腹から開いていると便利ですね。
あとこの腹開き、腹切りが縁起が悪いといい、
嫌う人もいるようです。
(ぼくは、どうでもいい気がしますが(^_^;))
②雀開き
こちらは、腹開きに対して背中から開きます。
背開きにはこの雀開きに加え、片袖開きもあります。
(後ほど紹介します。)
ホッケの干物はこの開き方が多い印象があります。
それでは、開いてみます。
カマスはこの開き方は安定しますね。
あまり形が崩れにくいです。
ただ、背中から内臓を出していない状態で包丁をいれるので下手に捌くと内臓を傷つけ、血や内蔵物が食べる部分に付着して品質を損なう可能性があります。
魚の肝臓(キモ)には、緑色や黄色の胆嚢(ニガダマ)という器官が付いています。
これを潰して中の液体が身に付着すると、
俗称の通り、苦くなってしまうと言われています。
さらに血は臭みのもとです。
あまり食べる部分にはつけたくないですが、腹開きよりも付着するリスクは上がりそうです。
ですが雀開きは真ん中に腹の窪みがきます。
よって、脂が乗っている魚は、焼いても脂が落ちきってしまわず、このあたりに脂がたまるような焼き具合に仕上がります。
③片袖開き
これは背開きのうち、頭を割らない方法です。
エラの後ろあたりから包丁を入れ、雀開きのように背側を開いていきます。
開いてみました。
メリットとデメリットは雀開きと同じです。
ですが雀開きとは違い、どちら側を表にしてもなんの魚かわかりやすい盛り付けにできますね。
ぼくは見栄え的にはこの開き方が好きです。
とくに理由がなければ、この開き方を多用しています。
ここでひとつ。
ご存知の方もいるかもしれませんが、
盛り付けの際には魚の頭を左に向けるのが基本とされているようです。
ぼくはマナーとかどうでといいとは思いますが、
右利きの人は骨をとったりして食べる際、
頭を左に向けてると食べやすい気がします。
こういうのにうるさい人も世の中にはいるので、
覚えておいて損はないと思います。
最後に。
それでは、3つの開き方をまとめてみます。
①腹開き
上顎が下顎より丈夫な魚向き。
背のほうが腹より直線に近い魚向き。
先に内臓を抜くので身を汚すリスクが少ない。
焼くと脂が落ちやすい。
②雀開き
下顎が上顎より丈夫な魚向き。
腹のほうが背より直線に近い魚向き。
焼いても脂が落ちにくい。
内臓に気をつけながら開く必要あり。
③片袖開き
腹のほうが背より直線に近い魚向き。
焼いても脂が落ちにくい。
内臓に気をつけながら開く必要あり。
何の魚か分かりやすい。
【干物語】第7回 何かと冴えない「クロソイ」美味しい食べ方を探る。
こんにちは。
ある日、スーパーでこんな魚を見つけました。
こちらはクロソイです。
あまり冴えない見た目をしている魚です。
光量をあげて撮影していますが
普通に見るとかなり黒く、あまり見た目が美味しそうな魚とは思えない人が多そうです。
この魚の冴えないポイントはもうひとつあり、
それはライバルの多さです。
唐揚げや煮付けでみんなにお馴染のカサゴ。
同じくカサゴと共に人気のメバル。
メヌケと呼ばれ、鍋にいれればたちまち絶品になる高級魚アコウダイ。
キンキと呼ばれ、様々な調理法で美味しくいただける高級魚キチジ。
など。
人気者勢揃いの、この科に属しています。
しかもこの人気者たちは、総じて見た目が鮮やかな色をしていたり、料理も見栄えがよくなる魚ばかりです。
見た目が黒く地味なこの魚はどうなのでしょうか?
とりあえず今回は干物に加えて、煮る料理もチャレンジしてみたいと思いました。
それがマース煮です。
沖縄の伝統料理で、マースは塩を意味します。
昆布と塩で味付けたシンプルな出汁に煮付けていきます。
できました。
見た目とは裏腹に、ものすごく綺麗な白身です。
味はどうでしょうか。
まったくクセも臭みもなく、食べやすい。
さらに身は弾力もあり、食べごたえがあります。
ただ、味が薄いです。
これは塩加減などの問題ではありません。
クセがないと言いましたが、これは時にはネガティブな意味を持つことになります。
その魚独特の風味に欠けるということです。
惜しいなぁ〜と思いました。
ただ、こういう魚には味をつけてしまえばいいんです。
今回は素材の味を感じるためにマース煮にしましたが、
醤油、みりん、酒、砂糖で味つけるスタンダードな煮物なら、
このクセがなく食べごたえのある身を楽しめたと思います。
では、干物。
干物にすると水分が飛び、味が濃くなることがあります。
ですが、こちらも正直マース煮と同じ感想でした。
クセもなく、繊維もしっかりしているため、トップレベルに弾力があり、食べごたえある干物です。
ですが、なにか物足りない。
こちらの干物も、塩水につけるのではなく、
醤油、みりん、酒などで調節した液に漬ければ美味しくいただけそうです。
というわけで。
今回はクロソイを食べてみました。
ライバルたちが強敵なだけに、少し残念な立ち位置にある魚かもしれません。
ただ、ポテンシャルは感じました。
調理法次第でその楽しみ方は広がると思います。
見つけた際は強めに味付けして、チャレンジしてみてください。
唐揚げなんかでも美味しいと思います。
【干物語】第6回 「骨無し干物」の作り方。ストレスフリーでお子様にも安全な干物!
こんにちは。
僕は時折、こんなことを耳にすることがあります。
「干物って美味しいけど、骨があって食べにくいんだよね。」
そんなお悩み、解決します。
干物といえば、アジの開きやホッケの開きなどの状態がメジャーで、身を食べようとしても骨を取り除かなければならない。
お世辞にも食べやすい料理とは言えませんよね。
その問題の解決方法があるんです。
「干物を作るときに骨を全部抜いちゃえばいい!」
(いやぁ、干物を作るのすら面倒くさそうなのに、あの無数にある骨まで抜くなんて出来るわけないだろう。)
そう思った方もいるかもしせん。
ですが、大丈夫です。
「干物は簡単に作れる。骨は1分あれば全て抜ける。」
それでは、手順をお話しますね。
①魚と道具を用意しましょう。
魚はなんでもいいですが、鯖(マサバやゴマサバ)がオススメです。
今回はマアジを使用します。
賞味期限ギリギリで80円でした。
ですが本当は、鮮度が良くない魚は避けたほうがいいです。
目が綺麗。
身にハリがある。
皮がきれいな状態で血が染み出してない。
そんな魚を選びましょう。
僕は基本的に包丁はダイソーのGalaxy出刃を使っています。
もちろん100円。
こんなので十分です。
他には、当然ですが、まな板。
そして塩水につけるので塩と、
バットかトレーや大きめの皿などの容器があるといいです。
最後に、干すためのネット。
これもダイソーに売ってます。200円です。
②魚の下処理をしましょう。
まず、鱗や身体のヌメリを包丁で、ウロコかきがあればそれで取っていきます。
鱗が取れたら、水分をキッチンペーパーなどで拭き、
次に内臓、ハラワタを出していきます。
肛門(おしりの穴)から包丁を入れて、エラ付近まで断ち切ります。
切れたら、内臓を出しましょう。
このとき、エラも一緒に取り外します。
魚は太い背骨の下に腎臓があり、血合いと呼ばれています。
これを爪で引っ掻いたり、ブラシで擦れば綺麗に落ちます。
血の気があると生臭みのもとになるので、ここは丁寧にやるべきです。
このくらい綺麗になれば大丈夫です。
③魚を三枚おろしにします。
あれ?開きにするんじゃないの?
と思った方もいるかもしれませんが、
とりあえず三枚おろしにしちゃいましょう。
まず先ほど腹を割いた穴から尻尾の方向へ、
骨を感じながら包丁を入れます。
次に上側。尻尾から頭へ包丁を入れます。
そしたら繋がってる部分は断ち切り、三枚おろし完成です。
反対側も同じようにやりましょう。
④骨を抜きます。
ここからが本題です。
骨を全部抜いちゃいます。
驚くべきことに、先ほどの三枚おろしの状態にすれば、抜くべき骨はたった「3種類」です。
それが、「カマの骨」、「腹骨」、「血合い骨」です。
まず、カマを取っちゃいます。
ブリやマグロなど、大型魚ならここだけで塩焼きにしたりして美味しくいただけますが、小型魚は可食部が少ないです。
落としてしまって、あら汁などに利用しましょう。
次に、腹骨。これを取っちゃいます。
人間でいうあばら骨の部分で、内臓を守っている骨です。
最後に、血合い骨。
ど真ん中に一直線にいくつかあります。
指でも抜けますが、ピンセットや専用の骨抜きがあると便利です。
ここまで、慣れれば1分あればできます!
これで骨が1つもない状態にできました。
⑤塩水に漬けます。
この工程は、単に塩味をつけるというだけでなく、臭みを含んだ余分な水分の脱水などの意味もあります。
10%から15%の食塩水に、30分から1時間漬ける。
と言われることが多いです。
僕の場合、
水900ccに塩100g、30分。
という感じです。
例によって正確に計ったことはありませんが…。
⑥干しましょう。
干物の醍醐味、干す作業です。
先程のネットにいれ、干します。
干す時間は、気温、湿度、風に影響されるので何とも言えません。
夜寝る前に干して朝取り込む、これが一夜干しです。
お昼に干すと、少し短時間で済みます。
用はこの作業が終われば完成なので、
お店に並んでるくらいの水分量がベストでしょう。
触ってみて若干ペタつくくらいがいいと思います。
干せれば完成。すぐに食べないならラップに包んで冷蔵庫に入れましょう。
最後にグリルで焼いて、完成です。
程よく脂ものっていて美味しいです。
鮮魚の状態が多少悪くても、適切に干物にすれば
かなり美味しく頂けますね。
それでは、是非あなたも骨無し干物作りにチャレンジしてみてください!
干物作りは、高いハードルではないですよ。