【干物語】第9回 旬を過ぎたイサキ。その味やいかに。
こんにちは。
今日ご紹介するのは、イサキです。
10月某日、スーパーにて良さげなイサキを見つけました。
イサキは、スズキ目イサキ科のお魚。
食用魚としても、釣り魚としても人気者です。
旬は夏と言われています。
一般的に晩夏に産卵すると言われ、
その産卵シーズンに向けて栄養を蓄える6月から8月あたりのイサキは絶品と言われています。
お刺身でも美味しいとされていますが、
なんといっても塩焼きが美味い。
ぼくも夏にとあるお店で塩焼きをいただきました。
いや〜美味しかった。
ホクホクの白身にレモンをひとり絞り。
脂ののった旨味の強い身。
程よい塩気と共にレモンの酸味が加わってさっぱり感アップ。
たまらないです。うまい。
さて今回購入したイサキ。
時期的には旬と言われる時期を過ぎています。
ですが身にハリがあって、十分にうまそう。
こいつで干物を作ってみます。
今回は普通の塩味の干物にひと手間。
サクラチップを用いて少し香付けします。
所謂、スモーク、燻製です。
それでは調理開始。
フライパンを用いた簡易的な燻製調理。
もう美味しそうです。
そして、完成。
いただきます。
「いや、美味しい。」
本当に美味しいです。
めちゃくちゃ美味しいです。
正直に言いますと、夏にとあるお店で食べたものより美味しかったです(^_^;)
まず旬ではないとはいえ、脂もしっかりとのっていますし
旨味も強いです。これぞ、イサキ。
という味がします。
さらに燻製というひと手間が良かったです。
イサキのガツンとした旨味にサクラチップの優しい芳醇な香りが染み付いていて、最高の味に仕上がりました。
自作干物ではトップクラスの出来に、感動しました。
それでは、まとめ。
イサキは旬を過ぎていても美味しい個体はいます!
「旬じゃないから、この魚を買うのはやめておこう。」
そんな固定概念は、あまり良いとは言えないかもしれません。
「旬じゃないけど、美味しそうだから食べてみよう。」
こんな気持ちで自分の直感を信じて食べてみる。
すると思わぬ発見があるかもしれせんよ。
美味しそうな魚はとりあえず食べてみるのがいい気がしますね。
スーパーや鮮魚店に行った際は、是非そんな気持ちで魚を見てみてください!
【干物語】第8回 干物の開き方を紹介!開き方の違いで味は変わるのか。
こんにちは。
秋というよりもう冬のような寒さを感じる季節になりました。
この時期に美味しいのがこの魚。
アカカマスです。
以前にも紹介しました、このカマスを使って
代表的な干物の開き方3パターンをご紹介します。
そして、開き方により味に違いは出るのか?
そんなことも考察していきたいと思います。
そもそもの話、なぜ開くのか。
これは、干物にするときに開くことで水分を抜きやすくするためというのが主な理由でしょう。
小さい魚や薄い魚は丸々一匹を干す、丸干しにすることもあります。
小さいイワシの煮干しなんかは丸干しですし、ハタハタなんかも丸干しをよく見かけますね。
カレイなんかは薄いので丸干しにされることがあります。
開くときの基本として、
まず魚のまっすぐな方を残して開くのが良いでしょう。
背側と腹側を比べて、より直線に近い方を接続しているように、開く。
曲線のところを残して開いたら歪んだ干物になりそう、というのは容易に想像できると思います。
そんなことを踏まえながら、スーパーやひもの屋さんで見かける代表的な3種類の開き方について、実践をしながら見ていきましょう。
①腹開き
最初の開き方は、腹開きです。
お腹に包丁を入れ、内臓を出してそのまま開けるのがこの開き方になります。
この開き方はアジの開きに多く見られる気がします。
実際に開いてみました。
まず、開いてみた感想ですが、
カマスは腹開きに向かなそうです。
理由はカマスは下アゴより上アゴのほうがもろいようで、
形が崩れやすいように見えます。
火を入れると形が崩れ、見栄えが悪くなりそうです。
ただ、先に内臓を出すので血や内臓の内容物が身の可食部に付着して、味を損なうようなことはなりにくいです。
さらに腹骨を削ぎ落としたいときなんかは
腹から開いていると便利ですね。
あとこの腹開き、腹切りが縁起が悪いといい、
嫌う人もいるようです。
(ぼくは、どうでもいい気がしますが(^_^;))
②雀開き
こちらは、腹開きに対して背中から開きます。
背開きにはこの雀開きに加え、片袖開きもあります。
(後ほど紹介します。)
ホッケの干物はこの開き方が多い印象があります。
それでは、開いてみます。
カマスはこの開き方は安定しますね。
あまり形が崩れにくいです。
ただ、背中から内臓を出していない状態で包丁をいれるので下手に捌くと内臓を傷つけ、血や内蔵物が食べる部分に付着して品質を損なう可能性があります。
魚の肝臓(キモ)には、緑色や黄色の胆嚢(ニガダマ)という器官が付いています。
これを潰して中の液体が身に付着すると、
俗称の通り、苦くなってしまうと言われています。
さらに血は臭みのもとです。
あまり食べる部分にはつけたくないですが、腹開きよりも付着するリスクは上がりそうです。
ですが雀開きは真ん中に腹の窪みがきます。
よって、脂が乗っている魚は、焼いても脂が落ちきってしまわず、このあたりに脂がたまるような焼き具合に仕上がります。
③片袖開き
これは背開きのうち、頭を割らない方法です。
エラの後ろあたりから包丁を入れ、雀開きのように背側を開いていきます。
開いてみました。
メリットとデメリットは雀開きと同じです。
ですが雀開きとは違い、どちら側を表にしてもなんの魚かわかりやすい盛り付けにできますね。
ぼくは見栄え的にはこの開き方が好きです。
とくに理由がなければ、この開き方を多用しています。
ここでひとつ。
ご存知の方もいるかもしれませんが、
盛り付けの際には魚の頭を左に向けるのが基本とされているようです。
ぼくはマナーとかどうでといいとは思いますが、
右利きの人は骨をとったりして食べる際、
頭を左に向けてると食べやすい気がします。
こういうのにうるさい人も世の中にはいるので、
覚えておいて損はないと思います。
最後に。
それでは、3つの開き方をまとめてみます。
①腹開き
上顎が下顎より丈夫な魚向き。
背のほうが腹より直線に近い魚向き。
先に内臓を抜くので身を汚すリスクが少ない。
焼くと脂が落ちやすい。
②雀開き
下顎が上顎より丈夫な魚向き。
腹のほうが背より直線に近い魚向き。
焼いても脂が落ちにくい。
内臓に気をつけながら開く必要あり。
③片袖開き
腹のほうが背より直線に近い魚向き。
焼いても脂が落ちにくい。
内臓に気をつけながら開く必要あり。
何の魚か分かりやすい。
【干物語】第7回 何かと冴えない「クロソイ」美味しい食べ方を探る。
こんにちは。
ある日、スーパーでこんな魚を見つけました。
こちらはクロソイです。
あまり冴えない見た目をしている魚です。
光量をあげて撮影していますが
普通に見るとかなり黒く、あまり見た目が美味しそうな魚とは思えない人が多そうです。
この魚の冴えないポイントはもうひとつあり、
それはライバルの多さです。
唐揚げや煮付けでみんなにお馴染のカサゴ。
同じくカサゴと共に人気のメバル。
メヌケと呼ばれ、鍋にいれればたちまち絶品になる高級魚アコウダイ。
キンキと呼ばれ、様々な調理法で美味しくいただける高級魚キチジ。
など。
人気者勢揃いの、この科に属しています。
しかもこの人気者たちは、総じて見た目が鮮やかな色をしていたり、料理も見栄えがよくなる魚ばかりです。
見た目が黒く地味なこの魚はどうなのでしょうか?
とりあえず今回は干物に加えて、煮る料理もチャレンジしてみたいと思いました。
それがマース煮です。
沖縄の伝統料理で、マースは塩を意味します。
昆布と塩で味付けたシンプルな出汁に煮付けていきます。
できました。
見た目とは裏腹に、ものすごく綺麗な白身です。
味はどうでしょうか。
まったくクセも臭みもなく、食べやすい。
さらに身は弾力もあり、食べごたえがあります。
ただ、味が薄いです。
これは塩加減などの問題ではありません。
クセがないと言いましたが、これは時にはネガティブな意味を持つことになります。
その魚独特の風味に欠けるということです。
惜しいなぁ〜と思いました。
ただ、こういう魚には味をつけてしまえばいいんです。
今回は素材の味を感じるためにマース煮にしましたが、
醤油、みりん、酒、砂糖で味つけるスタンダードな煮物なら、
このクセがなく食べごたえのある身を楽しめたと思います。
では、干物。
干物にすると水分が飛び、味が濃くなることがあります。
ですが、こちらも正直マース煮と同じ感想でした。
クセもなく、繊維もしっかりしているため、トップレベルに弾力があり、食べごたえある干物です。
ですが、なにか物足りない。
こちらの干物も、塩水につけるのではなく、
醤油、みりん、酒などで調節した液に漬ければ美味しくいただけそうです。
というわけで。
今回はクロソイを食べてみました。
ライバルたちが強敵なだけに、少し残念な立ち位置にある魚かもしれません。
ただ、ポテンシャルは感じました。
調理法次第でその楽しみ方は広がると思います。
見つけた際は強めに味付けして、チャレンジしてみてください。
唐揚げなんかでも美味しいと思います。
【干物語】第6回 「骨無し干物」の作り方。ストレスフリーでお子様にも安全な干物!
こんにちは。
僕は時折、こんなことを耳にすることがあります。
「干物って美味しいけど、骨があって食べにくいんだよね。」
そんなお悩み、解決します。
干物といえば、アジの開きやホッケの開きなどの状態がメジャーで、身を食べようとしても骨を取り除かなければならない。
お世辞にも食べやすい料理とは言えませんよね。
その問題の解決方法があるんです。
「干物を作るときに骨を全部抜いちゃえばいい!」
(いやぁ、干物を作るのすら面倒くさそうなのに、あの無数にある骨まで抜くなんて出来るわけないだろう。)
そう思った方もいるかもしせん。
ですが、大丈夫です。
「干物は簡単に作れる。骨は1分あれば全て抜ける。」
それでは、手順をお話しますね。
①魚と道具を用意しましょう。
魚はなんでもいいですが、鯖(マサバやゴマサバ)がオススメです。
今回はマアジを使用します。
賞味期限ギリギリで80円でした。
ですが本当は、鮮度が良くない魚は避けたほうがいいです。
目が綺麗。
身にハリがある。
皮がきれいな状態で血が染み出してない。
そんな魚を選びましょう。
僕は基本的に包丁はダイソーのGalaxy出刃を使っています。
もちろん100円。
こんなので十分です。
他には、当然ですが、まな板。
そして塩水につけるので塩と、
バットかトレーや大きめの皿などの容器があるといいです。
最後に、干すためのネット。
これもダイソーに売ってます。200円です。
②魚の下処理をしましょう。
まず、鱗や身体のヌメリを包丁で、ウロコかきがあればそれで取っていきます。
鱗が取れたら、水分をキッチンペーパーなどで拭き、
次に内臓、ハラワタを出していきます。
肛門(おしりの穴)から包丁を入れて、エラ付近まで断ち切ります。
切れたら、内臓を出しましょう。
このとき、エラも一緒に取り外します。
魚は太い背骨の下に腎臓があり、血合いと呼ばれています。
これを爪で引っ掻いたり、ブラシで擦れば綺麗に落ちます。
血の気があると生臭みのもとになるので、ここは丁寧にやるべきです。
このくらい綺麗になれば大丈夫です。
③魚を三枚おろしにします。
あれ?開きにするんじゃないの?
と思った方もいるかもしれませんが、
とりあえず三枚おろしにしちゃいましょう。
まず先ほど腹を割いた穴から尻尾の方向へ、
骨を感じながら包丁を入れます。
次に上側。尻尾から頭へ包丁を入れます。
そしたら繋がってる部分は断ち切り、三枚おろし完成です。
反対側も同じようにやりましょう。
④骨を抜きます。
ここからが本題です。
骨を全部抜いちゃいます。
驚くべきことに、先ほどの三枚おろしの状態にすれば、抜くべき骨はたった「3種類」です。
それが、「カマの骨」、「腹骨」、「血合い骨」です。
まず、カマを取っちゃいます。
ブリやマグロなど、大型魚ならここだけで塩焼きにしたりして美味しくいただけますが、小型魚は可食部が少ないです。
落としてしまって、あら汁などに利用しましょう。
次に、腹骨。これを取っちゃいます。
人間でいうあばら骨の部分で、内臓を守っている骨です。
最後に、血合い骨。
ど真ん中に一直線にいくつかあります。
指でも抜けますが、ピンセットや専用の骨抜きがあると便利です。
ここまで、慣れれば1分あればできます!
これで骨が1つもない状態にできました。
⑤塩水に漬けます。
この工程は、単に塩味をつけるというだけでなく、臭みを含んだ余分な水分の脱水などの意味もあります。
10%から15%の食塩水に、30分から1時間漬ける。
と言われることが多いです。
僕の場合、
水900ccに塩100g、30分。
という感じです。
例によって正確に計ったことはありませんが…。
⑥干しましょう。
干物の醍醐味、干す作業です。
先程のネットにいれ、干します。
干す時間は、気温、湿度、風に影響されるので何とも言えません。
夜寝る前に干して朝取り込む、これが一夜干しです。
お昼に干すと、少し短時間で済みます。
用はこの作業が終われば完成なので、
お店に並んでるくらいの水分量がベストでしょう。
触ってみて若干ペタつくくらいがいいと思います。
干せれば完成。すぐに食べないならラップに包んで冷蔵庫に入れましょう。
最後にグリルで焼いて、完成です。
程よく脂ものっていて美味しいです。
鮮魚の状態が多少悪くても、適切に干物にすれば
かなり美味しく頂けますね。
それでは、是非あなたも骨無し干物作りにチャレンジしてみてください!
干物作りは、高いハードルではないですよ。
【干物語】第5回 深海魚クロシビカマス。1度は食べて欲しい絶品干物。
こんにちは。
みなさんは「深海魚」と聞いたとき、何を思い浮かべるでしょうか?
チョウチンアンコウ。
リュウグウノツカイ。
フクロウナギ。
ホウライエソ。
こんなのは結構ポピュラーですね。
見た目がとんでもなく奇抜だったり、グロテスクな風貌を持っていたり。
水圧が表層と比べ遥かに大きく、光の量も少ない厳しい環境。
そんな場所で過ごすために特殊な構造をしていたり特殊な器官を保有していることが多いです。
ところが、深海魚には食用魚として人気のものも沢山あります。
深海300m付近は中深海と呼ばれ、食用として、そして釣りのターゲットとして人気の魚の生息地になっています。
高級魚キンメダイ、アカムツ。
知る人ぞ知る超高級魚アラ。
これらをジグという鉛のルアーで狙う釣りは人気があります。
そんな深海魚を親しみ感じていただいたところで、この魚をご覧下さい。
とある魚市場で見つけました。
全身漆黒に包まれた、牙の鋭い見た目。
こちらはクロシビカマスという魚です。
生きているときはここまで黒ずんではおらず、ギラギラに輝きます。
地域によっては、スキヤキ、ナワキリ、サビ、サビタチ、エンザラなどとも言われます。
なんだそりゃ?
意外にご存じのかたもいるかもしれません。
クロタチカマス科には、
身体にあるワックスエステルが人間には分解できず、食べるとお尻から油がでてきてしまうことで有名な「バラムツ」や「アブラソコムツ」がいます。
これらは食品衛生法で流通が禁止されています。
そんな魚の仲間を食べて大丈夫なの?
クロシビカマスは、大丈夫!
この魚。特殊な要素がいくつかあります。
そのひとつに
まず、全身に脂がのっています。
魚には普通脂がのっている部位と少ない部位、それらが分かれているのが普通です。
そのため大トロや中トロなどと名前で判断できるわけです。
全身に脂がのっているということは異常なのです。
これはバラムツなどにも共通する特徴です。
それでは、実食編です。
干物の前に、焼き霜造り(炙り刺し身)と、あら汁(潮汁)で食べてみました。
焼き霜造りに無数の切れ込み、飾り包丁が入れてあるのは、骨切りによるものです。
実はこの魚は脂ののりかたに加えて骨の入りかたが特殊な構造になっています。
これがもうひとつの特殊な要素です。
長い中骨が多く存在し、骨切りをしないと刺し身で食べることは難しいです。
骨抜きは身崩れの観点から、ほぼ不可能でしょう。
焼き霜造りの味は、全くクセがなく脂ののった魚という印象です。
舌触りもよく、味も良し。
ぼくは刺し身が得意ではありませんが、問題なく食べられました。
潮汁も良い出汁がでて、美味しいです。
そして、干物。
まず焼く段階で驚かれることと思います。
脂が滴り落ちてくる。
骨切りしてあれば皮ごと食べることができます。
焼き霜造りとはまた違って、香ばしさが増し、脂をグリルで落としてしまえば、脂のしつこさも軽減されます。
それでいて、味もしっかりついていて美味しいです。
こちらも舌触りがよく、まろやかな印象です。
この魚はどうやら、相模湾周辺や伊豆大島、東伊豆などで多く食べられているようです。
さきにも述べた通り、中深海ジキングの外道としても釣れることがある魚です。
もし釣れたり、干物をみかけたときはチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
【干物語】第4回 空飛ぶ魚「トビウオ」干物で食らう。
こんにちは。
みなさん、水泳はお好きですか?
ぼくは好きですが、バタフライには苦手意識があります。
でも、竜ヶ崎怜は好きです。
そして、僕がこのバタフライという泳法を思うと連想してしまう魚が「トビウオ」です。
とある夏の日、スーパーで安価で見つけて買ってみました。
トビウオなんて食べれるの?
そう思った方もいるかもしれません。
ですが、あなたは知らないうちにこのトビウオを摂取してるかもしれませんよ。
よく耳にする「あごだし」というのはトビウオ由来の出汁なのです。
そしてこの魚はダツ目トビウオ科。
同じダツ目には、国民的な大衆魚のひとつであるサンマがいます。
こう言われると、すこしトビウオを食用魚として身近に感じませんか?
追加の食用情報として、トビウオはあの有名な「くさや」に利用されることも多い魚です。
さて、干物をつくってみましょう。
シンプルに味は塩味にしてみます。
ここで捌いてみて気づいたこと。
この魚。硬い。
筋肉が発達しているからなのでしょうか?
同じサイズ感の他の魚と比べるとかなり身質が硬めです。
ちなみにトビウオは時速70kmほどで泳ぐことができ、滑空する距離は数百メートル飛ぶことができると言われています。
そんな運動に小さな体で耐えるには、こんな強靭な身体が必要なのでしょうか。
とりあえず完成しました。
では、実食。
とその前に。
独特の匂いがあります。
臭いとまでは思いませんが、潮の香りが強めです。
トビウオが海面を滑空しているとき、この匂いを味わっていそうな感じです。
ここで多少、好き嫌いは分かれそうです。
では、いただきます。
普通に美味しい。
身は硬すぎるかと心配がありましたが、火を通すと単にその繊維がしっかりとしているというだけで、美味しくいただけます。塩味の入り具合もいい感じです。
そして個体の問題もあるとは思いますが、脂は少なめで味がしつこくなく、さっぱりとした味わいです。
ヘルシー志向な方にはお気に入り登録していただけるんじゃないでしょうか。
総評です。
スポーティーな見た目通りの引き締まった、そしてさっぱりとした味です旨味もしっかりありました。
ただ、独特の潮の香りがありその点だけ、好き嫌いがわかれそうです。
実際に嗅がないと伝わらなそうですが。
気になった方は、是非食べてみてくださいね。
【干物語】第3回 食べればわかる。マトウダイの魅力
こんにちは。
今回はすこし見た目が変わった魚を紹介したいと思います。
とある夏の日のこと。
面白い魚はいないかなぁと、とある魚市場を散策していました。
すると、いました。
マトウダイです。
すごい見た目をしています。
グロテスクだと感じる人もいるかもしれません。
さらにこの魚、口がかなり伸びます。
生きた魚をこの口で襲い、捕食します。
ですが、見た目で判断しちゃだめだよ!
っていうのが、今回のお話です。
マトウダイはマトウダイ目マトウダイ科の魚。
似た魚に、カガミダイってやつもいます。
名前の由来は、
捕食する際に口が伸ばした姿が「馬の頭」に見えることから。
というものと、
体にある黒の斑点が「的」に見えるから。
というものが主です。
水族館にもしばしばいるので見覚えがある人もいるのではないでしょうか。
加えてこちら、フランス料理が好きな方には「サンピエール」という名前でご存知の方もいるかもしれません。
フランスではポピュラーな魚のようです。
どう調理しようか。
フランスではこちらのマトウダイとシタビラメは頻繁にムニエルにされる魚です。
ですが、今回は2品。
2枚おろしにして、1つを干物(みりん干し)、1つをアクアパッツァにすることにしました。
とにかくまずは干物で食べてみたいのです。
おろすときは先にその刺々しいヒレを先にキッチンバサミで切り落とすとやりやすいです。
また、上下の縁に硬い皮膚があり、これも切っておくとおろしやすくなります。
鱗はありません。
まずは干物、みりん干しです。
おろした切り身を、
醤油、酒、みりんで整えた液に20分くらい漬けてから一夜干しするだけです。
分量はテキトー。
ぼくはいつもこうなのです。
完成品はこちら。
かなり美味しい。
みりん干しにして正解でした。
醤油の風味が上品かつクセのない白身に染みて、みりんとの相性はトップクラスに感じました。
クセの強い見た目に騙されてはだめ。
身はめちゃくちゃ旨味も強いです。
お気に入りの干物の1つになりました。
次は、アクアパッツァ。
オリーブオイルベースで、トマトとナスと一緒に煮込みました。
他に何入れたか覚えてません。
こちらも分量はテキトー。
ニンニクは入れたほうがいいと思います。
こちらもめちゃくちゃうまい。
干物よりも身がより一層ふっくらして、オリーブの香りとトマトの酸味が溶け込んで、とても美味しい。
ジンジャエールに合う味です。
いかがだったでしょうか?
マトウダイの魅力が伝わっていれば幸いです。
こちらはスーパーでも時折見かけます。
見かけた際は是非、買い物かご入れてみましょう。
あとこの魚、寒い時期にはキモ(肝臓)が肥大化して、それが美味しいという人もいます。
ぼくは内臓が得意ではないのでこちらはあまり興味ないですが、キモ目当てでトライしてみるのも良いと思いますよ。
とにかく身にしろキモにしろ身体にハリがあって肥えてる個体を選ぶのが賢いと思います。